
麻雀のルールの中でも、役満を協力して出し合うという特殊なものがあります。これを通称‘漢気麻雀’(おとこぎまーじゃん)といいます。
本記事では、漢気麻雀の基本ルールと、漢気麻雀を打つ場合のセオリーを解説します。
※ ここで解説するルールやセオリーは管理人が一般化したものを解説しています。
漢気麻雀の基本ルール
南家:一九①⑨11東南西北白發中
西家:9 ■②②■ ■5赤5■ 四四四横四 77加槓7碰7
北家:東東南南西西北北白白發發中 打9
漢気麻雀は、基本的に役満縛りとなります。ただし、数え役満を許容する場合、倍満や三倍満以上あればリーチ可とすることがあります。
漢気麻雀は三麻でも四麻でもどちらでも可能ですが、役満の出現率が高いことから三麻がメインとなります。
また漢気麻雀では、
自身が役満をテンパイしていない場合、他家のリーチに対して考えうる最大のアシストをする義務があります。
加えてリアルで行う漢気麻雀でも、インターネット麻雀を利用した場合でも、役満の道筋が見える場合にそのことを発言や所作で匂わし、アシストを求めることができます。ネットワーク麻雀などでは長考したり、スタンプ機能があるならスタンプを利用します。
ただし、その際は直接的な表現は禁止とすることが一般的です。
こうして互いに役満を狙いつつ、第三者の役満をアシストしながら役満をあがることが漢気麻雀の基本ルールとなります。
漢気麻雀のセオリー1:メインの狙いは国士無双、捨て牌1段目での北抜きや么九牌の暗槓をしない
漢気麻雀では、基本的に国士無双を狙うことがセオリーとなります。
そのため三麻で北を抜きドラとする場合、一般的には役満1向聴未満での、捨て牌1段目での北抜きは禁止となります。北を抜いてしまうと、他家の国士無双を潰すことに繋がりかねないためです。
同様の理由で三麻でも四麻でも、捨て牌1段目での么九牌(※)の暗槓は避けるべきです。暗槓しないで溜め込んでおけば、将来的に誰かの役満に差し込める可能性が残ります。
※ 么九牌:一九①⑨19東南西北白發中
ただし2つ槓子ができたら絶対に誰も国士無双を聴牌しないので、連続で暗槓しましょう(それはしょうがないですし、順目が残っていれば他家も別の役満を狙える可能性があるため、開き直って「四槓子」や「四暗刻」を狙いましょう)。
漢気麻雀のセオリー2:最初はマンズやピンズの中張牌、赤色の入ったソーズの中張牌、么九牌の順番で切っていく

漢気麻雀では自分だけでなく第三者の役満の可能性を最大化する必要があります。
そのため漢気麻雀では以下の順番で牌を切っていきます。
【漢気麻雀の牌の切り順】
- マンズおよびピンズの孤立した中張牌
二三四五六七八 ②③④⑤⑥⑦⑧ - ソーズの中でも赤色が入った孤立した中張牌
57 - ソーズの中でも緑色だけの孤立した中張牌
23468 - 大三元や小四喜を狙っていない時のシュンツの中張牌
②③④⑥⑦⑧ - 対子になっている中張牌
二二三三四四五五⑥⑥⑦⑦⑧⑧ - 役満にならない対子・暗刻になっている老頭牌
一九①⑨19 - 役満にならない対子・暗刻になっている么九牌
東南西北白發中 - 役満に不要な孤立した老頭牌
一九①⑨19 - 役満に不要な孤立した么九牌
東南西北白發中
なお、大三元や小四喜などの、一部の牌の並びに条件がない役満を狙う場合、誤って出来面子を壊さないように注意してください。
漢気麻雀のセオリー3:四暗刻はあがりにくい

三大役満と呼ばれる四暗刻ですが、漢気麻雀においては他家のアシストが期待できないため、あまり狙うべきではないといえます。ただし、四暗刻単騎待ちであればアシストも十分考えられます。
なお、四暗刻を作る時の牌の種類には制限がないため、どんな手牌からでも四暗刻は狙いやすいとも言えます。
したがって、配牌でほぼ四暗刻しかない場合は別として、四暗刻以外の役満の道を常に探し続けるほうが良いでしょう。
漢気麻雀のセオリー4:副露面子から相手の必要そうな牌を予測する
漢気麻雀では自分のあがりだけでなく、他家のあがりをアシストする義務があります。したがって、自分の手と共に、他家がどの役満を狙っているのか推測しながら打つ必要があります。
特に副露面子(フーロメンツ、ないて晒された牌の面子のこと)を見れば、基本的にどの役満を狙っているか大部分で特定できます。
例えば字牌を誰かがポンした場合、狙いの役は以下のいづれかしかありません。
【漢気麻雀で字牌をポンした場合に想定される役】
- 字一色(字一色)
■■■■■■■ 横北北北 白横白白
東東東西西發發 横北北北 白横白白 - 大三元
■■■■■■■■■■ 白横白白
③③⑤⑥⑦發發發中中 白横白白 - 小四喜
■■■■■■■■■■ 白横白白
東東南南西西西北北北 白横白白 - 大四喜
■■■■■■■■■■ 北加槓北碰北北
①東東東南南南西西西 北加槓北碰北北
例えば東横東東という副露なら「字一色」か「大三元」か「小四喜」か「大四喜」の4択であり、中中横中という副露なら「字一色」か「大三元」か「小四喜」の3択です。
さらに言えば誰かが数牌をポンやチーをした場合、狙い役は更に絞られます。
【漢気麻雀で数牌をポン/チーした場合に想定される役】
- 大三元
■■■■■■■■■■ 横三三三
①①白白白發發中中中 横三三三 - 小四喜
■■■■■■■■■■ 横三三三
東東南南西西西北北北 横三三三
漢気麻雀は役満の構造や仕組みを理解していないと上手い下手に相当な優劣の差が生まれます。ただひたすら中張牌を連打するだけで漢気麻雀を打っている気にならないよう注意したいものです。
漢気麻雀のセオリー5:リーチが来たらアシストが可能か否か見極めて行動しよう!
漢気麻雀では役満を成就させることが第一命題です。したがって相手が役満聴牌を知らせるリーチを敢行した場合、可能な限りのアシストを考えます。
ただ特に気をつけたいのが、それが染め手などのアシスト可能なものか、ツモ四暗刻狙いなどでアシストができないものか、高め九蓮宝燈などの形か見極めることです。
【リーチ者の狙いの役を見極める方法】
- 四暗刻狙いの場合
リーチ者の河④赤⑤⑤3④5 ①⑨一九6⑨ 横9手出しの対子落としがほとんどない。比較的早い段階で么九牌が切られる。
- 国士無双狙いの場合
リーチ者の河⑤6⑦④③③ 773⑤①南 横西么九牌が比較的遅い順目に切られる/または切られていない。中張牌がどの色もまんべんなく切られている
- 九蓮宝燈狙いの場合
リーチ者の河⑤⑥⑦④南西 ③⑦⑦③5① 横西么九牌が比較的早い順目に切られる。中張牌が片方の色に偏っている。①⑨19の切られていない方が狙い役。
上記はあくまでも一例ですが、リーチが来た場合は基本的にアシストが可能なものが多いです。
ただし、
四暗刻や九蓮宝燈の場合、アシストが裏目になることがあります。リーチ者がツモ四暗刻の場合、ロン牌を出してしまった場合四暗刻が成立しませんし、九蓮宝燈の場合高め九蓮宝燈の形が多いため最悪フリテンになります。
とはいえ、四暗刻も九蓮宝燈ももともとツモれれば問題ないため、河底間際には一か八かで差込を狙ってみるとよいでしょう。
なお、国士無双は基本的にアシストが無駄になることはないため、積極的に当り牌を出すようにします。
また、暗刻(アンコ②②②等)や対子(トイツ②②等)がある場合、他家の捨て牌をポンしたりカンしたりして、リーチ者のツモ番を増やしたりドラを増やすことも立派なアシストになります。
ただし、上家からのリーチに対して下手な副露(フーロ・なきのこと)をすると、リーチ者のツモ番を減らしてしまうため注意が必要です。
最後に

漢気麻雀は麻雀の面白さを、ある意味で別の角度から追求したものです。
麻雀は役満よりもそれ以外の役の方が圧倒的に多いです。それでも三麻であれば協力すれば平均的に半荘戦1回で1回の役満が出せます。
しかし、私は非常に多くの漢気麻雀を主催し、また参加してきましたがあまりちゃんと理解せずに参加している面子が多いと感じています。
もちろん、漢気麻雀は遊びですが、しかし遊びだからこそ思考放棄せず、真剣に遊びたいと思いませんか?
今回の記事の内容が、みなさんがより楽しめるようになる一助となれば幸いです。
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