
みなさんこんにちは、ガノー(Twitter:Ganohr)です。
最近Outlook Live Mailの迷惑メールが大量に、しかもMicrosoftのフィルタを通過して到達するようになりました。

Gmailならほぼ何もしなくても迷惑メールが届くことは殆どありませんが、ついにメールの迷惑メールフィルタでさえも、Microsoftは遅れを取ってしまったようです。
とはいえブラウザのようにメールを乗り換えることはできません。
そこでこの記事ではOutlook Live Mailの迷惑メールを、完全に対処する方法を紹介します。
更新履歴
2023/05/11 公開
Outlook Live Mail用SPAM削除フィルタを定義する

TLD(Top Level Domain、ティーエルディー)とは、ドメイン名の中でも、「.」(ドット)で区切られた領域のうち、最も右端に書かれた部分です。ドメイン名を使ってインターネットでやり取りをする際に、TLDがまず最初に参照され、右から左に向かって解決されていきます。例えばうちのサイト「ganohr.net」ならTLDは「.net」です。特にTLDは組織または国単位で割り当てられており、一般的に信頼性の高いTLDは運用コストが高い傾向があります。逆に運用コストが低いTLDは、スパムサイトの運用に利用される傾向が高い特徴があります。
そこでOutlook Live Mailの迷惑メール対策では「信頼性の低いTLDを用いたURLが含まれるメールをすべて削除する」ことで対策します。
ひとまず、ブラウザでOutlook Live Mailにログインします。
次に、リボンの「表示」をクリック後、「ビューの設定」をクリックします。


その後「メール」の「ルール」をクリック後、「+新しいルールを追加」をクリックします。

「ルールの名前を入力してください」に「SPAM Remover」と入力し、「条件を選択してください」をクリックし「件名または本文に含まれている」をクリックします。
あとは、以下の【スパム対策リスト】の内容を一つ一つコピペして、Enterキーを押して入力します。
なお、これを一括で入力する方法はありません。
地道に頑張るか、この記事の末尾にて公開している「Selenium IDE用Append Spam Remove Filter with Outlook Live Mail」を用いると、この面倒な作業をスクリプトで行えます。
【スパム対策リスト】
スパム対策リスト
.nsf.jp/
.nsf.tc/
.ae/
.agency/
.am/
.ar/
.au/
.ba/
.bc/
.br/
.by/
.cat/
.cl/
.cloud/
.cn/
.cz/
.de/
.dk/
.ec/
.es/
.fj/
.fr/
.gh/
.gq/
.gr/
.guru/
.hr/
.ie/
.il/
.int/
.ir/
.jo/
.ke/
.lk/
.lt/
.me/
.mk/
.mu/
.my/
.ng/
.nl/
.no/
.pa/
.pe/
.pharmacy/
.pl/
.pt/
.ro/
.ru/
.se/
.sg/
.shop/
.store/
.th/
.tk/
.tr/
.tv/
.ua/
.uk/
.uz/
.vet/
.za/
アクションを追加から「迷惑メールに分類」を追加し、「別のアクションを追加」をクリックし「削除」をクリックします。
あとは「ルールを今すぐ実行する」にチェックし、最後に「保存」をクリックします。
これでスパムメールが一括で削除され、今後もほぼ全てのスパムメールが自動的に削除されます。
※ 同様の手順で「アドレスに含まれる場合」を定義することをお勧めします。このときはTLDの最後に「/」を入れないでください。


追加のスパム削除フィルタを定義する

この対策を行っても「.fr/」(フランス)や「.com」(アメリカ/全世界)などを使ったスパムは対処できません。
そこでスパム削除フィルタをすり抜けてきたスパムメールを削除するための定義を追加しておきます。
操作は同じなので割愛しますが、私は件名及び本文に「ciao」や「アカウント停止」が含まれる場合に、自動削除させています。
うまくフィルタを定義して、無用なメールは自動削除させましょう。
Selenium IDE用Append Spam Remove Filter with Outlook Live Mail

‘Selenium’(セレニウム)、‘Selenium IDE’(セレニウム・アイディーイー)は、ChromeやFirefoxなどのブラウザを自動操作するための製品、及びそのブラウザの拡張機能です。
【Chrome用Selenium IDE】
【Firefox用Selenium IDE】

※ FirefoxはCSP関連でSelenium IDEがまともに動作しない可能性があるため、Chromeを用いるか、以下のStack Overflowを参考にModHeaderを導入し「https://outlook.live.com」のCSPを無効化してください。

本文中でも触れましたが、Outlook Live Mailには「フィルタの内容をエクスポートしたり、インポートする機能がない」という致命的な欠陥があります。
要は、簡単にフィルタの内容を共有したり、適用することができません。
そこでこのSelenium IDE用のスクリプトファイルを公開しますので、以下の手順で実行し、フィルタを作成してください。
- 「ganohrs_outlook_spam_remove_filter_v002.zip」をダウンロードし解凍しておく
- ブラウザでOutlook Live Mailにログインする
- ブラウザの拡張機能からSelenium IDEを起動する
- 解凍して取り出した「Add SPAM Remove Filter to Outlook Live Mail.side」をSelenium IDEで読み込む
- 読み込んだスクリプト(テスト)を実行する
- 次に解凍して取り出した「Add SPAM Remove Filter to Outlook Live Mail With Address.side」をSelenium IDEで読み込む
- 再度読み込んだスクリプト(テスト)を実行する
この手順でフィルタが2件追加されます。
「Add SPAM Remove Filter to Outlook Live Mail.side」は本文内に仕込まれたリンクを対処し、「Add SPAM Remove Filter to Outlook Live Mail With Address.side」はメールアドレス自体に不適切なtldが利用されている場合を対処します。
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