
みなさんこんにちは。ガノー(Ganohr)です。
みなさんは、現在の世の中で
人工知能の研究が盛んであることをご存知でしょうか。
その一環として、自動運転技術の研究も賑わっています。
そして現在研究がなされ、一部で実用化されている
- 直前の車を追随するようにハンドルを操作する
技術があります。
今回はその技術の、「利点と欠点」を紹介します!
※この記事は1~2分で読めます。
更新履歴
2017/02/08 公開
直前の車を追随する技術

自動運転技術として、直前の車を追随する機能が実現されています。
これは、前を走行している車両を追うように、車を運転する技術です。
たとえば、高速道路での使用が想定されています。
一般道でも、渋滞時での使用などが想定されています。
さて。そもそもなぜ、
自動運転技術で直前の車を追う(追随する)の?でしょうか。
なぜ直前の車を追随するのか

まず理解したいことがあります。
それは直前の車を追随することが、日常的におこなわれる行為であるという認識です。
むしろ、直前の車の行動を真似することは、安全かつスムーズな運転をおこなう上でひつようです。
たとえば、
前の車が停車した場合。こちらもそれに合わせて減速し、停車しなければ、どうでしょうか。もちろん、追突してしまいますよね。
たとえば、
渋滞の中で、前の車が発車した場合。それを追わずに、こちらがずっと停車していた場合、どうでしょうか。周囲に迷惑をかけますよね。
これらは当たり前のことですが、重要な事実です。
このように、
「直前の車の行動をまねる(≒追随する)作業を、人間に代わっておこなう」というのが、この技術の中核というわけです。
ちなみに自動運転に限らず、
直前の車を追随して運転すると、ある程度まとまった台数の車が集団として形成されます。
このような集団を、コロニーと呼びます。
直前の車を追随する技術の利点

この技術の利点は、「容易に、かつ低コストで実現できること」です。
その理由は、「直前の車を認識するだけですむ」からです。
直前の車を認識するには、現在ではすでに成熟している
- 画像認識技術(画像から車を認識する技術)
- センシング技術(距離を計測する技術)
をもちいれば済むからです。
このように成熟した技術を用いることにより、
比較的に安価な価格で新しい技術を開発できます。
直前の車を追随する技術の欠点

それでは逆に、欠点はなんでしょうか。
欠点1:重大事故の原因になりかねない
この技術における一番の欠点は、
大事故の原因になりかねないということです。
高速道路などでは、何台もの車が絡むような「重大な玉突き事故」がおこりえます。このときの主な原因が、コロニーが形成されたことに起因します。
コロニーというものは、数台程度のものもあれば、何十代にも及ぶものがあります。言い換えれば、コロニーの先頭車両が、そのコロニー全体を先導しているのです。
このとき、コロニーの先頭車両が「安全で適切な運転」をしているならば、とくに問題はありません。
しかし、コロニーの先頭車両が不適切な運転をしたり、誤った運転をした場合どうでしょうか。それに続く2代目以降の車が、うまく回避できることも、回避できないことも、あるでしょう。
ようするに、この自動運転技術の欠点は、
コロニーを形成することが前提であることです。
これにより、重大事故がおこる可能性を助長するのです。
欠点2:コロニー化することの利点があまりない

また、コロニーを形成することが前提であるため、
自身がコロニーの先頭車両になると、自動運転の恩恵を受けられません。そもそもコロニー化した場合、先頭車両にくらべて、そのほかの車両では負担自体が少ないこともあります。
わざわざ自動運転技術をつかっても、得られる恩恵が少ないというわけです。
欠点3:周囲の環境に影響されやすい

そして、この自動運転技術は
簡単に周囲の環境に影響されてしまい、直前の車両を見失ってしまうという欠点があります。
たとえば、この自動運転技術は、多くが「画像認識」を用いています。
これはカメラで前方を撮影し、その画像を解析(≒画像認識)することで車両を見つけだすという技術です。
このとき、
カメラに強い光が入ると、極端に画像認識の精度が低下します。これは画像認識を用いたすべての技術に共通します。
たとえば逆光のなかで人物の写真を撮ると、人の表情がツブレたりしますよね。
運が悪いと、逆光でもないのに、前方車両の照り返しがカメラに直接入ることもありえます。
このような、「周囲の光の入り方」によって
- 自動運転技術が正しく動作しなかったり
- 誤った動作をおこなったり
さまざまな危険性があるのです。
さらに、周囲の光以外にも問題がおこりえます。
よく知られているのが、
急なカーブに入ると直前の車を見失い、自動運転ができなくなるというものです。
これまで自動的に運転していた車が、急なカーブに入るだけで、
急に運転の主導権を人間に丸投げするのです。
はたして、これによって事故の発生が増えないことは、ありうるのでしょうか。
コロニー化した車両の集団が大事故につながるのは、これまでは多くの場合が先頭車両に起因していました。
いうなれば、このような「中途半端な自動運転技術を搭載した車両」が、コロニーのあいだあいだに頻出してしまうのです。
最後に

自動運転技術は、
2025年ごろに100万円程度を追加で支払えば搭載可能になると、考えられています。
しかし、それは欧米での予測です。
日本では、さらに5年遅い、2030年ごろになるかもしれません。
そもそも、汎用人工知能が2030年~2035年に開発されるという予測もあります。
自動運転技術の躍進。
この言葉は、私をワクワクさます。
だからこそ、今回紹介したような自動運転技術は、私をガッカリさせるのです。
一般的に言われている10年~15年後に、「正に有用で安全な自動運転技術」が作り上げられる、そのビジョンを想像できないのです。
あなたは、現在研究されている、「自動運転技術」をどう思うでしょうか。
「自動」という言葉に、踊らされてはいませんか?
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